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│principle│Q & A│トランジスタ技術12月号│応用磁気学会誌│ |
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| 日本応用磁気学会誌 Vol(2) 7,No.11,2003,p1063 概要 |
日本応用磁気学会誌にトピックスとしてMIセンサを応用した電子コンパスの解説が掲載されました. |
MIセンサを使った携帯電話用電子コンパスの開発
MI
Sensor-based Electronic Compass for Mobile Phone Applications
本蔵義信・青山均・山本道治・加古英児
Y. Honkura, H. Aoyama, M. , and E. Kako
愛知製鋼
Aichi
Steel Corporation |
ABSTRACT
The
world’s smallest electronic compass for mobile phone applications was recently
developed by Aichi Steel Corporation. The compass has two orthogonally arranged
MI sensor elements and a signal conditioning IC. The dimensions are 3.1×3.4×0.8 mm, which is less
than 1/1000 the volume of conventional fluxgate-type electronic compasses. The new electronic compass has high direction
resolution, low energy consumption, and fast response.
The compass will be used
in mobile phones with GPS (global positioning system) capability for pedestrian
navigation services, which give direction and location related information by
accessing a database via the Internet.
An electronic compass is indispensable for map-based navigation
services, giving a user-friendly 'heading-upward' display by automatically
rotating the map according to the user orientation.
This service will be
launched in the fall of 2003.
Key
words: MI sensor, electronic compass, mobile phone, pedestrian navigation
service, geomagnetism
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1.はじめに
本年秋から、日本をはじめとしたアジア各国で携帯電話を使った歩行者ナビゲーションサービス1)の開始が検討されている。このサービスは、単なるナビゲーションに留まらず、リアルタイムでインターネットによる周辺情報と地図情報とを組み合わせた多彩なサービスを利用者に提供しうるもので、高い利便性が期待される。サービスのイメージを図1に示す。
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Fig. 1 Pedestrian
navigation service on mobile phones with GPS feature.
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Sensor type
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Spec.
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Requirements
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MI sensor
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Hall sensor
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Fluxgate sensor
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MR sensor
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Dimensions
(mm)
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height ≦ 1.5 mm
as small as possible
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3.1×3.4×
H 0.8
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6.3×5.9×
H 1
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8.5×8.5×
H 1.4
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3×4.9×H 1
without signal processing
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Power dissipation
(mW)
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≦ 10 mW
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6mW
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25mW
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30mW
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9mW
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Response
(ms)
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≦5
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1
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─
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1
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─
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Azimuth resolution (degree)
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≦±1
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±1
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±4
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±1
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±8
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Table 1 Comparison
of electronic compass products with various sensing principles.
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技術的背景としては、@高速で大容量のデータ処理が可能な第三世代携帯電話の登場2)AGPSの搭載3)Bベクター方式によるデジタル地図情報の圧縮4)C地図を鮮明に表示する大画面5)およびD電子コンパスの開発などによってナビゲーションサービスの基盤が整ってきたことである。電子コンパスの役割は、地図を進行方向に表示するヘディングアップ機能1)である。コンパスが無いと地図はノースアップ表示となるが、知らない土地では極めて不便である。
電子コンパスは、FGセンサ6)、MRセンサ7)などを使ったタイプのものが、磁石コンパスの代替として自動車、腕時計などの用途で幅広く実用化されている。性能的には、22.5度の方位分解能、1秒程度の応答速度、数十mWの消費電力で数cmの大きさである。携帯電話に使う場合の要求性能は、表1からわかるように、サイズ、消費電力、方位分解能、応答速度いずれも点でも飛躍的な性能向上が求められる。
現在、FGセンサ、ホール、MR素子を使った携帯電話用電子コンパスの開発が活発に行われており8)9)、表1に示すような製品が提供されている。著者らは、MIセンサを使ってこれらの厳しい要求仕様のすべてをクリアし、かつ世界最小サイズの電子コンパスの開発に成功した。開発した電子コンパスの外観を図2に示す。なお、本製品は昨年ボストンで開催されたセンサ技術展で、Best
of Sensors Expo Silver Awardを獲得した。
本報告では、MIセンサを使った電子コンパスの開発と今後の課題について紹介する。
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Fig. 2 Developed
electronic compass using MI sensor.
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2.MIセンサとは
2-1.MIセンサの原理
MIセンサは、92年にアモルファスワイヤ10)の磁気特性を研究していた名古屋大学の毛利教授によって発見されたMI現象を基礎にしたセンサ11)で、ホールセンサなど磁気センサに比べて1万倍も大きな感度性能を有している。
MI現象は、図3で説明するように、スピンが円周方向に配列した零磁歪アモルファスワイヤにGHzに相当するパルス電流を通電した時に、外部磁界に比例してインピーダンスが式@に従って大きく変化する現象である。零磁歪のCo-Fe-Si-B合金製アモルファスワイヤの透磁率は大きな外部磁界依存性を持っているが、式から分かるように高い周波数と表皮効果による直流抵抗の増加により著しく増幅されることが分かる。
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Fig. 3 Magnetoimpedance
effect in amorphous metal wire.
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2-2.MIセンサの回路と出力特性
MIセンサの回路と出力12)に関しては、インピーダンスを直接検出する方式とインダクタンス成分のみを検出するコイルピックアップ方式が考案されている。インピーダンス検出方式は、センサ素子は簡単であるが、図4のような対称的な出力特性となり信号の取り扱いが面倒である。インダクタンス検出方式の出力は、図5のような直線性に優れており、我々は電子コンパス用回路として本方式を採用することにした。
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Fig. 4 Magnetoimpedance
characteristic of micro MI chip (0.5×1.5 mm) showing
ΔZ/Z=50%.
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Fig. 5 Magnetoinductive
characteristic of micro MI chip (0.5×1.5 mm) .
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開発した電子回路の主なMIセンサ出力特性は、図6に示すように測定レンジは±2G、直線性は2.8%/FSと良好で、感度は0.2mV/1mG(2.6V電源)である。温度安定性は図7に示すように極めて良好である。さらに、ヒステリシスについて、測定磁界が地磁気の±300mG程度の場合には、ノイズレベル以下である。±4G以内であれば、8mG以下に収まり極めて良好である。1000G程度の大きな磁石ショックにおいても、原点が±30mG程度ドリフトするだけで、直線性や感度はほとんど影響を受けない。また周波数特性も図8に示すように10KHzまで安定しており、短時間で測定を完了しデータを転送することが可能となる。
以上のように、MIセンサは簡単な回路で微小な磁界を検出することが出来、しかもその出力は極めて良質である。地磁気のような微小磁界を測定する電子コンパス用の磁気センサとしては最も適したセンサであると言える。
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Fig. 6 Output
characteristic of electronic compass.
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Fig. 7 Temperature
characteristic.
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Fig. 8 Frequency
characteristic.
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3.MIセンサを使った電子コンパスの開発
3-1.開発した電子コンパス
開発する上で最も困難な課題は、サイズの問題であった。そのために、図9に示すように幅0.5mm、長さ1.5mmのマイクロMI素子を開発し、3.1mm×3.4mm×0.8mmの世界最小サイズのコンパスを実現した。電子コンパスは、XとY軸に直交配置した2個のMI素子と1個のIC回路とをパッケージしたものである。回路は、図10に示すように極めてシンプルである。端子については、出力、電源、XYin(XかYかの出力信号を指示する端子)、CS(待機か作動かを指示する端子)および2個のGND、の6個からなっている。ここで出力は一つの端子からXとYの信号をXYin信号に従って転送する。
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Fig. 9 Micro
MI sensor chip.
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Fig. 10 Block
diagram of electronic compass.
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3-2.電子コンパスの性能
開発した電子コンパスの性能は、表1に示した通りである。ここでは携帯電話ニーズとの関係を考慮した上での設計上のポイントについて述べる。
@測定レンジは、理論上は地磁気レベルで十分可能なはずであるが、現実的には外部磁界(約1G)や、携帯電話内の磁界(1G以下)およびセンサの原点補正などを考慮すると±2G程度が適当と考えられる。実際には、原点ドリフトを補正して、±300mGのレンジで使用する。なお、MIセンサの測定レンジは、MI素子の設計を工夫することで1Gから40G程度の範囲で調整することができる。
A方位分解能について、地磁気の水平成分310mGと回路のノイズレベル2mV(磁界換算で5mG)を比較すると安定して表示できる方位は±1度となる。もちろん、これは前節で述べたMIセンサの優れた直線性、小さなヒステリシスが前提である。
BMIセンサの応答速度は0.1msecで、方位計算速度を10msec以下に容易にできる。
C動作電圧は2.6V、消費エネルギーは動作時6mWと待機時1μW以下と極めて小さい。MIセンサの出力と電源電圧は図11に示すような関係がある。なお出力の大きさは、MI素子の設計と回路設計で調整できるので、将来の携帯電話電源が1.8Vになっても十分対応は可能である。
D温度、衝撃、磁石ショックや静電耐圧などに対する安定性についても極めて良好である。
E経済性の点では、MI素子の出力特性が優れており信号処理回路がシンプルなため、他のセンサを使った電子コンパスに比べて優位である。
以上本製品が携帯電話に求められている仕様を十分満足しうると同時に、今後予想される一層の改善要求にも応えうる大きな潜在力を有するものであることが理解していただけたものと思う。
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Fig. 11 Power
supply voltage dependence of output.
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4.方位の計算と誤差の問題
4-1.方位の計算
方位の計算は、進行方向を基準に図12に示すようにX方向とY方向の磁界強度HxとHyの値を測定し、Hy/Hx=tanθから求めることができる。θが45°を超えるとcotanθから算出した方が精度は良くなる。方位がどの象限にあるかは、HxとHyの正負の符号から判定する。
地磁気の水平成分は、場所により異なるが日本ではおよそ310mGである。±1度の方位精度を得るためには、5mG以下の分解能が必要である。MIセンサの精度は±5mG程度としている。また方位計算速度については、0.01秒以下で方位θを計算し、歩行者ナビゲーション用のアプリケーションソフトに転送することができる。
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Fig. 12 Azimuth calculation
Azimuth θ is calculated using the relationship tan = Hy/Hx.
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4-2.誤差要因について
方位の主な誤差要因としては、@磁気センサ内部誤差(具体的にはX軸とY軸方向のセンサ間の感度差、原点電圧の食い違い、直交不良に起因する誤差)、A携帯電話内部の磁界、B外部の磁界、C携帯電話を傾けた時の傾斜誤差D強い磁石の接触によるセンサ本体や内部磁界の変動などの5つがある。
地磁気中でコンパスを一回転させて、HxとHyを測定し、Hx-Hy平面上の軌跡(図13)から誤差の大きさや種類をチェックすることができる。まず正しい測定が行なわれている時には、その軌跡(A)は半径310mG、原点を中心とした円を描く。しかしながら、X軸とY軸のセンサの間で感度差があると、軌跡(B)は楕円になる。二つのセンサ出力値の原点電圧ズレや、携帯電話内部の磁界の影響を受けると、軌跡(C)の円の中心が原点からずれることになる。またX軸とY軸が直交不良で干渉すると軌跡(D)は傾いた楕円となるが、通常直交度は90°に保つことができるので実際問題としては発生しない。以上述べた誤差要因は後述の較正手段により解消できる。
外部磁界の影響は、軌跡(E)の半径を変化させる。鉄製の構造体の近くではその半径は大きくなり、室内のような磁気シールド下では小さくなる。電子コンパスは屋外で広く使用可能であるが、このような極端な磁界強度を示す場所ではその利用が制約される。また傾斜の影響や磁石ショックの影響については複雑であるため、単純に軌跡からは判定できない。
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Fig. 13 Error
modes of electronic compass.
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4-3較正方法
較正方法はメーカサイドで行なう出荷時の較正操作と使用者サイドで行なう較正操作からなる。
携帯電話の出荷時に行なう較正操作によって上記の誤差@とAを解消することができる。すなわち図14に示すような三次元の磁界発生装置で基準回転磁界を与えてそれを測定し、その結果をHxとHy平面の軌跡として表示する。XとY軸との交点が310mGになるように感度を補正する。円の中心が原点になるようにXとY軸センサの原点を補正する。ここで注意すべき点は、図15に示すように携帯電話の内部には大きな磁界分布が存在するので、設置する際にできるだけ小さな磁界の場所を選ぶことである。
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Fig. 14 Three-axis
magnetic field generator for compass calibration.
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Fig. 15 Example
of magnetic field distribution on a mobile phone PCB.
Measured
field direction: x.
Measuring point: 2.0 mm above PCB .
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使用者サイドの較正操作は、磁石ショックを受けてしまった場合や電池、SDカードなど携帯内蔵部品を差し替えたときなどにより内部磁界が変化した時に行なうためのものである。較正操作は軌跡の中心の原点ドリフトを修正するだけであるから、至って簡単で、使用者較正モードを選び、水平を保って一回転するだけでよい。MIセンサはヒステリシスが小さく温度安定性もあり、非常に安定しているので、実際問題として磁石ショックによる内部磁界変化などのトラブルが無い限り使用者が較正操作を行なうことは無いと著者らは考えている。
なお、傾斜誤差は図16に示すように無視できないものであるが、二次元の電子コンパスを使用する限りでは、水平にして測定するものと考えていただきたい。
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Fig. 16 Effect of
tilt on calculated azimuth in the case of azimuth θ= 45°.
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5.今後の展望
電子コンパスは、GPS携帯と歩行者ナビゲーションサービスにおいて重要な部品の一つである。以上述べたように携帯電話に搭載可能な小さな電子コンパスが開発され、ナビゲーションサービスの普及とともにその使用量も拡大すると期待される。
今後、高機能化に伴いより優れた電子コンパスの開発が期待される。主な課題としては、以下の3つの課題が取り組まれている。
(1)精度向上の課題
基本的には今秋から実用化され多くの人々に使用されてその評価結果によるわけであるが、開発の現場では@傾斜誤差の問題A外部磁界と地磁気との判別B磁石シヨックによる内部磁界の変動C自動較正プログラムの開発などの課題が取組まれている。これらの課題は、三次元電子コンパスと傾斜センサの組み合わせにより解決可能と言われているが、問題は携帯電話の制約された仕様の中で開発できるかどうかである。
(2)基本性能の改善課題
携帯電話の高性能化・多機能化に伴って、電子コンパスにおいても一層の小型化、低電源対応、省エネ化が求められている。また電子コンパスで得られた方位情報、角度情報の多次元的な利用も期待される。
(3)標準化の課題
電子コンパスの仕様は、電子コンパスの性能、方位計算ソフト、提供されるサービス内容、携帯電話機器の性能および通信チップの性能などと複雑に関係しており、関係各社が提携して初めて決定できる。現在は多種多様な形で個別対応されているのが現状であるが、MIセンサを使った電子コンパスは、近い将来の事実上のstandardになりうるセンサとして期待されている。
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参考文献 |
- D&M日経メカニカル,572,57(2002)
- 電子技術(日刊工業新聞社),45,No.7,2(2002)
- Qualcommのホームページ,(http://www.qualcomm.com/)
- ナビタイムジャパンのホームページ,(http://www.navitime.co.jp/)
- 日経ビジネス(日経BP社),2003.7.14日号,40(2003)
- M.J.Caruso:Sensors and Actuators, SAE SP-1220, 15(1997)
- N. Pollock:Electronics & Wireless World, October,49,(1982)
- D&M日経メカニカル(日経BP社), 570,90(2002)
- 下江治,阿部泰典,諸野脇幸昌,橋爪繁直:日立金属技報,18,37(2002)
- H.S.Chen et.al.:J.Appl.Phys.55,1796(1984)
- 毛利佳年雄:磁気センサ理工学、コロナ社(1998)
- K.Mohri, et.al.:IEEE Trans.Magn,38,3063,(2002)
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rara
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