MIセンサの四大特がもたらすアプリケーション

MIセンサは、4つの特をもった新しいタイプの磁気センサです。

高感度/微弱な生体磁気もを捉え、理論的にはfT(フェムトテスラ)の感度が可能

高速応答/100kHzの応答が可能

低消費電力/パルス駆動のため高感度にもかかわらず低消費電力

小型/顕微鏡サイズのマイクロ素子

この四つの特を応用して、様々な分野での応用が提案されています。


■ MIセンサの位置づけ

 磁気センサで検知される磁場の強度に関して、MIセンサーの位置づけを下図に示します。横軸は磁気の強度で左にいくほど微弱な磁場となります。

 MIセンサーは ホールセンサーやMRセンサーと同等のミリテスラ領域から、ピコテスラの微弱磁場までをカバーする広い感度を持っています。特に、地磁気レベルの数マイクロテスラ以下の領域では、小型で低消費電力のMIセンサーを活用することにより、いままでなかった新しい応用が、数多く広がると考えられます。

様々なアプリケーション


MIセンサの応用

■ 電子コンパス

 MIセンサーの応用で、現在もっとも数が多いのは電子コンパスと呼ばれる地磁気センサーで、スマートフォンなどに入っています。これは MIセンサー素子を3軸パッケージした部品で地図サービスの際に端末の方角を検出するのに使われます。

MIセンサを応用した電子コンパスは、高精度で低消費電力であることから、モバイル、ウエアラブル端末にも多く使用されています。MIセンサ応用電子コンパスは、発売以来、全世界で1億4千万個を超える製品が使用されています。

■ ナビゲーションのAR表示

 端末の姿勢を正確に検知して、ナビゲーションをモバイル端末上の実映像に重ね合わせて表示することが可能となります。

 また、建物固有の磁気パターンから、室内での位置特定を行うインドアナビゲーション用の磁気センサとして好適です。

■ モーションセンサとスポーツ応用

 たとえば、ウエートトレーニングで、ダンベルが発する微弱な磁気を検出することで繰り返し数のカウントが可能です。屈曲運動では、地磁気センサーと加速度センサーを組合わせた姿勢センサーで、曲がりの角度がリアルタイムで計測できます。

 ボール内にMIセンサーを実装すると、地磁気を手がかりとして、ボールの回転測度を計測することができます。MIセンサーは高応答のため、高速回転に追従することができます。 

 また、自転車のスピード検知が可能です。ホイールに磁石を設置しておけば、ハンドル部のモバイル端末でその回転を検知し、スピードを割り出すことができます。いずれも、可動側に電源が不要なのが大きな特長です。

■ 姿勢検知とVRコントロール

 VRゴーグルや、ドローン搭載カメラの姿勢検知を正確に行うことができます。特に、MIセンサはヒステリシスがないことから、姿勢変動が重なることによる累積誤差が生じず、正確な制御が可能です。

■ 3Dトラッキング

 MIセンサを人体に取り付けることで、その位置を正確に捉えることが可能です。とくに指先には、超小型のMIセンサが適しています。

■ 地磁気計測

 MIセンサの小型・低消費電力を活かし、電磁探査に活用できます。

また、多点測定が気軽にできることから、火山活動や地震観測で、人がはいれない危険な場所のデータを集めることも容易になります。

■ 異物検知

 MIセンサで、食品に混入した、鉄系の異物を検出して視覚化することができます。工場用の大掛かりな金属検知機と異なり、手軽に検査を行うことが可能となります。

また、紙幣の真贋判定や、安全ゲート、窓や引き出しがあいたときの動きを高精度に捉えるホームセキュリティーも可能となります。

■ 医療・健康

 MIセンサは生体から発する微弱な磁場を捉えることが可能です。この応用として心磁計や脳磁計があります。現在は磁気シールドルーム内に設置される、非常に大型の装置ですが、MIセンサーを応用して、通常の室内でも診断が行える装置が提案されています。

■ 自動車応用

 自動運転支援のために、MIセンサを応用したレーンマーカーシステムが提案されています。

 また、車載部品の回転センサなどでも期待されています。