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較正ソフトウェアの原理
基準磁気発生装置を用いた較正は、装置を用意するのが大変です。
それに代わる手段として、装置を使わず半自動で簡便に電子コンパスを較正するソフトウェアの原理を以下に紹介します。
(1) 基本原理
2次元の場合を考えます。
磁気センサーを地磁気中で水平に1回転まわすと、センサーの計測値は円の軌跡を描きます。
軌跡のデータを調べて、x軸のセンサーの最大と最小と、y軸のセンサーの最大と最小の点を取ります。(合計4点)
較正の基本(Link)の場合と同様に、感度と原点を下記の式で計算することができます。
感度= (最大値-最小値) /(地磁気の水平分×2)
原点= (最大値+最小値) / 2
(※ 地磁気の水平分は、別のセンサーで計測した既知の値を用いるか、理科年表等で調べた値を用います。)
次に、3次元の場合を考えます。
3次元の場合には、同様に水平と垂直にそれぞれ一回転動かすことで3軸分の較正が可能です。
ただし、実際にセンサーを回転させる場合に台などを使わずに一定の平面で回すのは難しいです。
空中でフリーハンドで回した場合と台の上で回した場合では、計測したデータを比べると、フリーハンドの方は円がいびつになってしまいます。
対策としては、1回回すだけでなく、2回以上回して平均するか、自由に回して較正する較正ソフトを用いる必要がです。
(2) 較正ソフトウェアの原理
2次元の場合に、磁気の計測データの軌跡は円ですが、3次元の場合は、磁気の計測データの軌跡は球となります。
感度が合っていると仮定した場合、4点の計測データがあれば、球の方程式から球の中心つまり原点を求めることができます。
ただし、4点はどこでも良いわけでは無く、できるだけ球の表面上で散らばっていないと方程式を解くときに誤差が出てしまいます。
センサーを8の字に振ると、軌跡が図のようになり、広範囲に散らすことができます。
実際には、感度が合っていないので、球ではなく楕円体となります。
この場合、充分に多い点(約18点)から最小自乗法で楕円体の方程式を解いて、感度と原点を求めることができます。
この方式の較正のソフトウェアを提供しています。