Home > 電子コンパス > 電子コンパス・アプリケーションノート> 方位計算 加速度センサなしで傾斜補正は不可能

方位計算 Azimuth Calculation - 加速度センサなしで傾斜補正は不可能

 

加速度センサなしで磁気センサーのみで傾斜補正した方位計算は不可能である。その理由を説明します。

 

まず最初に、端末/センサーを水平に置いて、磁気が垂直に端末に入る場合を考えます。

左の写真は端末に垂直な磁気が入っている状態。 右の写真は端末内のセンサーの磁気の模型です。

センサーで計測される磁気は、水平なx成分とy成分がゼロで、垂直なz成分のみ計測されます。

 

端末を水平に回転させた場合、端末を水平面内のどちらの方向に向けても磁気の計測値は変化しません。

 

 

 

実際の地磁気は垂直ではなく、伏角の分だけ傾いて傾いています。

斜めの磁気に対してその向きに垂直に端末を立てている場合にも先ほどの端末を水平にした場合と同様となります。

 

端末を磁気の向きに対して垂直な面に沿って回転 させても、磁気センサの計測値は変化しません。

 

つまり、端末の向きを計測値から判断することができません。

 

端末に対して磁気が垂直な場合だけでなく、任意の向きの磁気でも同じことが起こります。

この写真では、任意の磁気に対して磁気センサをコマのように1回転させていますが、磁気の計測値(Hx,Hy,Hz)はどれも変化していません。

 

つまり、ある測定値(Hx,Hy,Hz)が計測された場合に、その値に対応するセンサーの向きが無数にあり、

 

端末が北を向いているか東を向いているかどちらの方角なのかを特定できないということです。