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磁気センサーの較正の原理
(1) 磁気センサーでの磁気計測における較正の必要性
磁気センサーで磁気を計測すると、磁気の変化(物理現象)がセンサーにより電圧の変化として出力されます。
センサーが検知する磁気と、出力電圧との関係は、グラフ上に書くと直線の関係となっています。
例えば、磁気+h1がセンサーに加わったとき、電圧v1がセンサーから出力されます。
逆に、電圧が調べた結果がv1になっている時には、センサーに加わっている磁気がh1だと分かります。
次に、複数のセンサー(3つ)の場合を考えます。
センサーの個体差で、それぞれのセンサーの特性の直線に違いが出ます。
これらの直線は、y=ax+bという数式で表現され、xを磁気、yを電圧、傾きをa、切片をbとします。
センサ2は、センサ1に対してbが減少していて、センサ3は、センサ1に対してaが減少しています。
それぞれのセンサーの特性の直線を求めることで、それぞれのセンサーで電圧から正確な磁気が分かります。
これを較正(calibration)といいます。
(2) 較正方法
較正の方法を示します。
直線y=ax+bを求めるには、 (-h,v1)と(+h,v2)の2点を通る直線の式を求めればよいです。(2点の求め方は後述)
計算式は、
となります。
y=ax+bを、xについて変形すると、x=(y-b)/aなので、センサーの電圧から磁気を求めるには、
磁気 = ( センサーの電圧 - b ) / a
という式で計算できます。
(3) 較正のための外部磁気の作り方
上記の較正の手順で、+hと-hの2点のデータを用いています。
このデータを計測するためには、センサーに外部から磁気を加える必要があります。
基準磁気の発生装置として、AMI製の「PalmGauss」を用います。
あるいは、
ヘルムホルツコイルという形状のコイルと電流源を用いて、基準磁気として用いることができます。
この場合、最初に基準磁気として調整が必要であること、地磁気のせいでゼロ点が合わないことが問題となります。
ゼロ点は、AMI製の「磁気シールドケース」で別途較正することで合わせることができます。